アクセス解析×ソーシャルリスニングでユーザーの解像度を上げた事例
高野千絵
#マーケティング
#SNS
こんにちは。D2C IDでWEBアナリストをしております、高野です。
いきなりですが皆さん、WEBアナリストと聞いて「数値からすごい示唆を導きだせる人」というようなイメージはありませんでしょうか。
私も少なからず、社内で期待の眼差しを感じております…(汗)
しかし、分析とは難しいもので、仮説通りの結果が出なかったり、情報(データ)が足りなくてよい示唆を導き出せなかったりなど、しょっちゅう起こります。
そんな『日々、暖簾に腕押し』のアナリストですが、最近良い示唆が得られた事例がありましたので、ご紹介させていただきます。
依頼内容
- 案件:音楽系アプリ
- アナリストへの依頼内容:WEBサイトの改善ポイントの発見
- WEBサイトの目的:アプリの機能理解とダウンロード促進
- クライアント様の仮説:(同シリーズの音楽機材もセットで販売していきたいという意図もあり)機能ページで今以上にアプリでできることを訴求していくべきではないか
ツールと分析内容
ツールその1
アクセス解析(GA4)
分析内容
- ランディングページの次に見ているページはどこか
- ユーザーは機能ページを見ているか
ツールその2
ソーシャルリスニング
分析内容
- ユーザーは商品をどのように使っているか
※商品名を含むX投稿を抽出し、投稿文を解析
結果
[ツールその1]アクセス解析(GA4)の結果
- ユーザーはランディングページの次に、ダウンロードページを見ており、そのまま無料版をダウンロードして離脱する
- 初めての訪問でも上記のように行動するパターンが多い
- ユーザーは機能ページをあまり見ていない(図1)
[ツールその2]ソーシャルリスニングの結果
- ユーザーはクライアント様アプリと競合アプリを同時利用し、比較検討している
ご提案
- 結果からユーザーは機能ページをじっくり読み込むよりも、まずは無料版をダウンロードし実際に使ってみて、感覚的に機能をつかもうとしていることがわかった。
- つぶやきからも、他社アプリと同時利用して比較していることが伺えた。
- したがって、クライアント様がお考えの仮説「機能ページに細かな情報を追加する」よりも、(すでにWEBサイトに掲載のある)YouTubeチュートリアル動画への導線を強化したり、他社との機能比較を掲載することが効果的であると考えらえる。
分析を行って…(感想)
この分析事例の良かったポイントは2つありまして、
1つめは、アクセス解析だけでなくソーシャルリスニングを使ってユーザーのインサイトを分析することで、ユーザーの解像度を上げられたということです。
アクセス解析だけですと、クライアント様アプリについて「初回訪問時から無料版ダウンロードをしている」ということしかわかりませんでした。
ソーシャルリスニングの分析結果から、ユーザーが競合アプリと同時利用しているとわかり、ならば競合アプリとの比較表をつくるのはどうかという提案につながります。
2つめは、クライアント様が分析前に仮説を明示してくださったことです。
仮説のない状態で分析しますと、データを端から端まで確認することになり時間がかかりますし、仮説という軸があると、仮説→正しいか否か→正しくなければ何が要因か、という段取りで分析を進めていくことができます。
今回は『手ごたえを感じた』分析事例のご紹介でした。
WEBサイト担当マーケターさんに、少しでも参考になればと存じます。
分析前にディスカッションすることって、大切ですね!
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データマネジメント部 WEBアナリスト
高野千絵
市場調査、競合分析、SNS分析、アクセス解析、KPI設計などデータにまつわる業務を幅広く担当。 データなどのエビデンスも、UXで感じた直感も、どちらも大切にしています。
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